コロナの記憶
2020年3月、某クルーズ船での感染者発生で隣国の流行病は一気に「我が事」となりふりかかった。マスクはマストアイテムとなり、マイ消毒液に除菌ウエットシートもカバンに潜ませることがお約束となった。店の前では検温。朝出かける前にも検温。どこで体温尋ねられても答えられるように。新幹線も飛行機もガラガラ。車内販売も無くなった。上級国民のみなさまはリモートワークで身を護り、通勤電車もそれなりに人が少なくなった。街へ出ればソーシャルディスタンスということで、飛沫感染しない距離を取るのが新しいマナーとなった。こんな日常が、新しい当たり前になった。
そして2023年5月、新型コロナが季節性インフルと同じ5類にカテゴライズされるようになり、世の中は一気にコロナ禍前の世界へ、戻りつつある。たとえ今コロナに罹っても、2020年の頃のように叩かれるのを恐れて療養していることをひたすら隠しとおすなんて必要もなくなった。3年5ヶ月、なんとか逃れられていた私も、ついにこの夏、罹った。
コロナ禍と同時に、母に病が見つかってしまい、そのサポートのために福岡と神戸を往復しまくった。新幹線に乗るのも、飛行機に乗るのも、ものすごく後ろめたさを感じながら。そして、見送った。頑なに罹るわけにはいかなかった時間が終わり、呆気なく罹ってしまったのはひとえに気の緩みかもしれないけど、それは仕方がないこと。
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